2018年度の報酬改定について
現在全国で「放課後等デイサービス」を行っている事業所が約1万1,000箇所あるといわれ、通っている子供達は約170,000人いるといわれております。
そんな放課後等デイサービスですが、厚生労働省が2018年にサービスの質を向上させる目的で大幅な制度改正を行いました。
この大幅な制度改正によって今多くの事業所が経営の危機にあるといわれています。
では何故そんな大幅な制度改正を厚生労働省は行ったのでしょうか。
その背景には2012年の新制度発足後から事業所や利用者が大幅に増加した一方で、営利目的を優先する事業所や子供への教育や社会支援などが非常にずさんな事業所が増えてしまったことが大きな理由のひとつにあるといわれています。
改定前の放課後等デイサービスの事業所への報酬は9割あったため、安定した経営をすることができていましたが、営利目的に走る事業者やずさんな運営を行っている事業所が増えたことで、本来の目的である教育や専門的なケアなどを怠ってしまい、利用者から不満などの声が次第に増えていきました。
元々放課後等デイサービスを運営するにあたり法的な制度がなかったことから、原則必要な条件さえ満たせれば法人であれば事業所の開設・運営を行うことができました。
それによって本来教育とは無関係の事業を行っている企業が数多く参入したことで、上記のようなずさんな運営をするところが増えてしまったという事につながります。
そこで厚生労働省は「事業所の数を増やすだけでなく、利用者への支援の質の向上を行わいといけない」と事態を重く見て今回の大幅な制度改正にいたりました。
今回の改正で大きなポイントになったのが「指標(区分)」で、利用者ごとにチェックシートで判断されるものです。生活上の行動や読み書き、支援が必要な度合いをなどを0~2の点数であらわすことが新設されました。
例えば、「多動・行動停止」の項目では、支援が不要か1カ月に1回以上の支援が必要であれば0点、週5日以上の支援が必要であれば2点になります。他の項目でも同様に利用者一人ひとりについて判断し、点数化されて指標へ反映されることになりました。
今回の制度改正によって健全かつ優良な運営を行っていた事業所にも大きな影響が生まれてしまい、スタッフの給与を下げるや待遇が悪くなるなどといったケースがうまれてしまい、ひどい場合は運営できるような状況になく、施設の閉鎖に繋がてしまうという事になりかねないケースも多くなりました。